2010年5月4日火曜日

Seamanship?【資料編-2】

Seamanship
シーマンシップ?なんぞや?シーマン?なんかのゲームであったような?という方も多いはず。これには明確な定義が無く、ただ船乗りが持つべきもとして言われ続けている言葉だ。しかしながら、この言葉に関して重要なお話を先日参加した第2回海洋教育フォーラムでしてくださった船長がいらっしゃった。一般的な意味や、フォーラムで紹介された意味を紹介していく。

1.辞書的な意味『ジーニアス英和大辞典(大修館書店)』より
 seaman         :船員、海員(=mariner, sailor)
   seamanship  :船舶の操縦・保守・航行技術
 辞書では、船の技術にのみ言及している。

4.法律(「船員法」より)
 「船員法第二十一条
 海員は、次の事項を守らなければならない
 一 上長の職務上の命令に従うこと。
 二 職務を怠り、又は他の乗組員の職務を妨げないこと。
 三 船長の指定する時までに船舶に乗り込むこと。
 四 船長の許可なく船舶を去らないこと。
 五 船長の許可なく救命艇その他重要な属具を使用しないこと。
 六 船内の食料又は淡水を濫費しないこと。
 七 船長の許可無く電気若しくは火気を使用し、又は禁止された場所で喫煙しないこと。
 八 船長の許可なく日用品以外の物品を船内に持ち込み、又は船内から持ち出さないこと。
 九 船内において争闘、乱酔その他粗暴の行為をしないこと。
 十 その他船内の秩序を乱すようなことをしないこと。」

 法律では以上のような定義づけがなされており、これらは規律、船内秩序とある。「~ないこと」のような否定形が多いが、要するに船内のマナーといったところであろう。

3.講演より(第2回海洋教育フォーラム、練習船日本丸元船長 橋本進氏の講演より)
 
 ①自然との共存を体得できる
 ②自然とのバランスを理解する
 ③実行力を身につける
 ④シップシェイプを学ぶ
 ⑤働くことの意義を体得する
 ⑥スマートさを身につける
 ⑦素手と素足で作業する
 ⑧観天望気の大切さを知る
 ⑨集団生活の基本ルールを知る
 ⑩忍耐と克己の経験
 ⑪身を守るすべを知る
 ⑫片手は船のため、片手は自分のために使う
 ⑬同じ釜の飯を食う経験
 
 主に練習帆船日本丸での実習で必要なもの。自然とのバランスやシップシェイプは、セールの取り扱いに関係する。
 またここで重要なのは、これら13項目を理屈として知るだけではなく、現場で体得するものであり、できるようにするものであるということでした。

4.海上自衛隊のTVCM(以前のものをyoutubeから。海上自衛隊公式ページにもあります)
 http://www.youtube.com/watch?v=ZjAXJaFydwM 

 お馬鹿CMとも騒がれてはいるが、seamanshipを連呼しているのが印象的。

 

意味も多義にわたり、定義しがたいseamanshipではあるが、最も印象に残っているのは教官としての経験から定義した橋本氏の講演の内容であると思う。これから練習船に乗り込み、船員になるものとして覚悟を覚えた。自分もこれを持った船乗りになるよう努めます。

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