2010年9月23日木曜日

内航船乗船体験

先月の話です。
内航海運総連合会による、海員学校学生向けの乗船体験に参加させていただきました。

船種はセメント運搬船、積荷はセメントではなくセメント原料のひとつである石炭灰でした。
火力発電所で出た石炭の燃えカスである石炭灰を、セメント工場に海上輸送する船です。

















荷主は太平洋セメント、船主・運航者は内航では大手といえる、最近ものすごい船隊増備計画を発表した外航バルクキャリアの内航部門を担っている子会社です。

この船社の総トン数4,911トン、昭和63年製のセメント運搬船に乗船しました。

乗船したのは8月上旬の6日間、川崎港で乗船させてもらい、途中、広野火力発電所、太平洋セメント上磯工場に寄航し、函館沖で通船を使用し下船しました。

結構勉強になりました。航海では船舶の行き来が非常に多い川崎航路を出港し、浦賀水道航路を通航、広野では着岸にタグボートを使用、また夜間航海時船橋を見学させていただいたときは主要変針目標である金華山を通過しました。上磯ではドルフィンと呼ばれる、沖のコンベアが通っている桟橋に着岸しました。


浦賀水道航路通航時の光景。船舶が輻輳している。





























広野入港時。船尾はタグボートに押してもらう
















上磯工場のドルフィン。ここで乗組員の上陸はできない。
















驚いたことといえばやはりスケールが大きいことでしょうか。
機関室は建物3階分に相当するスペースを占め、発電機3台、主機関もかなりの大きさがありました。やはり5,000トン弱の船舶を推進させられるだけあります。

主機。6シリンダで13ノット出せる。

発電機。サイドスラスタがあるためスタンバイ時は3台並列運転



船橋も建物の5階に当たる高さに位置し、遠くまで見渡せますが、甲板に荷役設備が高く鎮座しているため、真正面(正船首方向)は見通しが悪く、とくに浦賀水道では操船が大変そうでした。

川崎出港時の船橋。このときだけは張り詰めた空気が漂う。
















荷役作業開始直前の甲板。荷役設備は高さがある。















乗組員さん同士の人間関係も良好に見え、将来このような船で働ければなと思いました。いろいろアドバイスもいただきました。
この体験乗船を通じて、今後がんばらなきゃならないこと、心構えなど、目標ができました。非常に実りある6日間であったと思います。
乗組員の皆様、いろいろとありがとうございました。

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