石油ターミナルとは石油をタンカーから積みおろしする場所のこと。海上にもそのような設備が存在し、東京湾には千葉沖や扇島沖にそれぞれ“シーバース”という名前で存在し、タンカー船が日々発着している。
しかし周知の通り、日本には石油資源はないため、これらシーバースで行われる作業は、タンカー船が外国からもたらした石油を工場に運ぶため「降ろす」ことに限られる。
逆に、石油を「積む」作業は産油国で行われる。現在緊迫が続いているイラクも産油国であることは言うまでもない。現在のイラクの数少ないの国益のひとつとなっている石油。これを積む石油ターミナルがイラク沖にあるという。
新聞記事によれば、これは「バスラ石油ターミナル」と称し、パイプラインで内陸の油田と直結しているという。新聞の写真には大型タンカーが写っている。ファネル(煙突)が朱色なのでこれは日本の船社のものだろう。もう一つの写真には機関銃を持ちターミナルを見回る米兵の姿が…。そしてターミナル周辺には米の巡洋艦が監視しているという。
そう。石油ターミナルや油田もテロの標的なのだ。いくら米兵が警戒していても、攻撃されてしまったらひとたまりも無い。万一タンカーに引火してしまったら大惨事であろう…。
このような危険な場所にも船は欠かすことができず、船員は危険と隣りあわせなのだ。この写真に写っている日本商船隊の船員に日本人がいるかどうかは不明だが、ソマリア沖のこともそうだ。外航船員は危険にさらされている。もちろん、船員に限らず、危険を冒して日本に恩恵をもたらしてくれる人々はたくさんいるが、船員の緊張や苦労のおかげで、モノにあふれる快適な日本が形成されているということを、改めて知ることとなった新聞記事であった。
参考文献
朝日新聞09年12月18日国際面
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2009年12月21日月曜日
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