「大型客船に注力 三菱重工、中韓に対抗(静岡新聞10.6.3) 」
(要約)三菱重工業は造船事業の柱を大型客船事業にする方針を明らかにした。新興国での豪華客船の需要増を見込み、また高品質が求められ付加価値が高いという点で、韓国や中国の造船会社と対抗できるためであるという。従来はコンテナ船、LNG船などの商船を製造してきたが、これらは中韓に押され苦戦してきたという。
従来造船業は、長いところ三菱を含む日本の造船各社がその技術力と品質において世界の市場ををリードしてきた。しかし近年では中国・韓国などが低価格というメリットを抱えて台頭し、それぞれ世界第2位、1位となっている。日本ではこれらの国と同じ船種を生産する場合割高となるため、高い技術力が必要となるLNG船(液化天然ガス輸送船)等を生産の軸に変えつつあった。
ある造船会社では、「日本で勝てるのはもはや技術でしかない」と聞いたことがある。しかしLNGだけでは心もとないし、万一その技術を盗まれてしまっては日本の造船業は終わる。
三菱重工業下関造船所。トヨフジ海運の自動車専用船を建造中。
三菱の選択は意外でもあり思い切ったものである。近年の客船というのは設備も高級仕様にこだわり、クルーズの日程が決まると高い客室から順に埋まっていくという。その名の通り豪華客船なのだ。先日、商船三井客船にっぽん丸が大幅改装されたのも実質更なる豪華化である。客船は今後も需要が伸びるであろう。たしか数年前、英国船社の豪華客船「サファイア・プリンセス」を建造したのも三菱重工の長崎だった。あのような巨大で高品質な豪華客船の進水式など見てみたいものだ。今後の三菱に期待したい。
2010年6月6日日曜日
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