(要約)清水港の今年4月の輸出額は、1419億円と、前年同月比41.8%増で、4ヶ月連続のぞうかであるという。とりわけアジア向け輸出が倍増した。品目では自動車部品、原動機が特に増加し、輸入額も11.5㌫増の594億円となり、特に石油ガスが増えた。一方、御前崎港では輸出額が13.7%減少、輸入額は18.4%の増加となっている。
清水港興津埠頭に入港するコンテナ船NYK VESTA.
清水港は、静岡県の中心部・静岡市から近いほか、東名高速や山梨方面とも通じているため、静岡県だけでなく甲信越方面との輸出入の拠点となっている。また国の重要港湾にも指定されている。昨今では不景気により、荷動きが全国的に滞ったが、地方港である清水もついにこの滞りから動き出したという印象である。このように早期に荷動きが回復したのも、やはり地の利も一つの要因ではないだろうか。
一方、御前崎港は輸出額が減少した。1月からコンテナクレーンが故障していることも原因であろうが、ここには地の利が無い。この港は交通の便が悪い。清水港が静岡県の静岡・富士など、県中央部・東部の貨物を扱うのならば、御前崎港は浜松・磐田など、県西部の荷を扱うという位置づけとする県の目論見があったように思えるが、実際は浜松の製品は豊橋・名古屋から輸出されるというのが現状だ。このような現状が垣間見られるのならば、静岡県は、清水港に集中投資するのが賢明であろう。
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